【レースデビューへの道】            ⑨自動車競技紹介:カート

ここではモータースポーツを楽しんでいる方はもちろん、興味があって始めてみたい方や
久しぶりに復帰したい方へ、モータースポーツにまつわる耳寄りなトピックスをご紹介いたします。

 前回の【レースデビューへの道】⑧自動車競技紹介では、ドリフトについてご紹介しました。
 今回は数ある自動車競技の中から「カート」にスポットを当ててご紹介いたします。

ゴーカートに端を発するカート競技

 運転免許証がなくてもレースの醍醐味を存分に味わえるモータースポーツ、それがレーシングカートです。その起源は、北米でおこなわれていた「ソープボックスレース」をヒントにして、1950年代にはその原型ができていたと言われています。やがて、芝刈り機用のエンジンをパイプフレームに搭載したものが「ゴーカート」と名付けられ、それらで競い合うスポーツが発展して、現在のレーシングカートの世界を構築することになりました。

 ちなみに「カート」は「CART」ではなく「KART」と綴ります。その理由には「GO CART」という商品名が誤って「GO KART」として広められ、定着したという説があります。
 レーシングカートは、子供から大人まで長く楽しめるモータースポーツである一方で、F1を始めとしたフォーミュラレースの登竜門としても確固たる地位を築いています。

モータースポーツの入門用カテゴリー

 日本にカートが入ってきたのは1950年代とされ、1960年代になるとカート競技を取り仕切る団体も誕生してスポーツルールが整備されていきました。
 欧州では1960年代から世界選手権がおこなわれていますが、レーシングカートを世界的に統轄する国際カート委員会(CIK)が組織され、現在に至っています。また、日本では、JAFが1972(昭和47)年から統轄するようになり、1973(昭和48)年には全日本選手権が始まりました。

 カート競技は、アマチュアからプロフェッショナルまで幅広い年齢層の選手を擁しています。四輪レースと同様に世界に通じるステップアップ方法も確立され、F1や日本のトップフォーミュラで活躍するドライバーのほとんどは、幼少期からレーシングカートに親しんできました。カート競技の裾野はどんどん広がっていて、現在では、四輪を含めたモータースポーツ全体の入門カテゴリーとして、欠かせない存在となっています。

マシンとカラダが一体になれるカート

 遊園地のゴーカートに端を発するレーシングカートですが、競技車両としてのレーシングカートは、現在では本格的なスポーツマシンへの進化を遂げています。パイプフレームとエンジンとシートとタイヤが付いた乗り物はすべて同じモノに見えると思いますが、自動車にもタイプや車型があるように、レーシングカートにも用途によって種類があります。
 カート競技で使われる車体は、ゴーカートと区別するため「レーシングカート」と呼ばれています。競技用の車体については、最も一般的な「スプリントカート」を始め、変速機を備えた「ミッションカート」、そして四輪用サーキットを走るための「サーキットカート」といった3種類に分けられています。このサーキットカートについては「スーパーカート」とも呼ばれ、現在でも、一部のサーキットでシリーズ戦がおこなわれています。

 速く走ることだけを純粋に追求したレーシングカートは軽量かつコンパクトです。ドライバーの操作には素早く反応しますし、100cc程度のエンジンでも四輪にも匹敵する速度を体感できるため、人間と最も一体になれる四輪車だと表現しても過言ではないでしょう。

カートを知るなら、まずはレンタルカートから

 とにかくカートを体験したいという人は、身近なレンタルカート場に行ってみるのが一番です。レンタルカートは、インドアからカートコースなど様々な施設でおこなわれています。屋外のカートコースでは、ゴーカートよりも本格的でレーシングカートよりパワーを抑えた「スポーツカート」と呼ばれるマシンを体験できる場所もあります。一人でも仲間と一緒でも、それぞれにマシンを操る快感や、レースの楽しさが手軽に味わえる手段です。

 本格的なレーシングカートに挑戦したい人は、最寄りのカートショップやカートコースに相談してみましょう。それらの情報はレーシングカート専門誌などに掲載されていますし、JAF公認カートコースはこちらに掲載されています。カートショップやカートコースでは体験試乗会などをおこなっている場合もあるので、まずはそうしたイベントに参加して、レーシングカートの魅力に触れてみるのがよいでしょう。

参考資料:JAF MOTOR SPORTS JAF / カート

四輪とは違うカート専用のライセンスが必要!

 JAF公認カート競技に出場するにはカートライセンスが必要となります。これは四輪ライセンスとは異なるカート専用のライセンスで、競技運転者のカートドライバーライセンスと競技参加者のカートエントラントライセンスという種別や、申請時の年齢や実績に応じて、ジュニアや国内、国際という分類があります。カートライセンスは8歳から申請できますが、18歳未満の場合はJAF個人会員である条件が免除されています。

カート競技にはレーシングスーツやシューズ・グローブなどの安全装備が必要になります。
カートコース等でレンタルすることもできますが、自分のサイズ・好みにあった装備が欲しい方は是非レアーズまでご相談ください。またレアーズダイレクトではオンラインにてレーシングギアをご購入いただけます。 

 今回は自動車競技の「カート」についてご紹介しました。
次回はカートライセンスの種類・取得方法について詳しくご紹介いたします。
 
JAFのホームページでは各競技会スケジュールの検索ができます。(JAF競技会スケジュール検索
「開催地域」「競技種目」などで検索ができるので、ご自身の希望にあった競技会を探してみてはいかがでしょうか。

 

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